砺波市議会の政活費廃止見送り

2025年02月13日

2025年2月10日、富山県砺波市の特別職報酬等審議会が開かれ、市議1人当たりの報酬を月額5万円引き上げるよう市長に答申されました。その一方で、市議会側が求めていた「政務活動費の廃止」については、現行維持という結論が出されたとのことです。

砺波市議会議員の報酬は、月額で、議長が45万4000円、副議長が40万4000円、市議は37万4000円となっています。この報酬では生活と議員活動の両立が難しいとして市議会改革特別委員会が月額5万円の引き上げを求めていたのですが、それが認められた形なります。実施は5月からで、報酬の改定は2005年12月以来とのことです。

同時に、議会からは議員1人当たり月額2万7500円の政務活動費の廃止も審議会で議論するよう求めていたようですが、それは現状維持とされました。政務活動費の執行率が62.6%と低いことから、「もっと研さんすべし」という意見をつけて、現状維持とされました。

私は、政務活動費制度についてはずっと反対の立場です。制度の趣旨は分からないでもないのですが、あまりに実態を見ていないのじゃないかとずっと思っています。人口が数百人という小さな村議会などならまだしも、都道府県議会や市議会レベルになると、活動も多岐にわたります。いや、わたらなければいけないわけで、それにまつわるいろんな支出が数多くあるのは当たり前です。

議員の日々の活動が、明らかに政務活動と分かるものばかりでないことは容易に想像できます。中には、完全にアウトなものもあれば、グレーなものもあるでしょう。問題は、政務活動費としてもらう以上、そこの白黒をはっきりつけるために煩雑な会計上の処理が必要になるということです。領収証をきちんと置いておくことはもちろんですが、議員活動が活発な人ほど、いろんなところでいろんな人と会って、いろんな出費があるものです。それを一々きっちり管理しなきゃいけないわけですね。

そりゃ、国会議員のように何人も秘書を雇える身分ならまだしも、地方議会では秘書がついているほうが少数派ではないかと思います。当然、書類は議員本人が管理しなきゃいけないわけですが、それはかなりの手間になりませんか。確定申告の経験のある方なら想像できると思いますが、全国各地を飛び回り、朝早くから夜遅くまでずっと活動時間という議員が、その間の支出を一々管理することがどれほど面倒くさいか、ちょっと考えたら分かりますよね。それでちょっとでも間違いがあったらぼろくそ追及されるし。私なら「やってらんない」と思ってしまいますね。

さらに、それをまとめて議会事務局に報告するわけですが、報告を受けた事務局の側も、おかしな支出はないか等、一定のチェックが必要になってきます。そのために職員が一定の時間を費やさなきゃいけないと考えると、結局、そこでは無駄な税金が使われてしまうわけです。ですから、政活費なんてやめて、議員活動のお金が足りないのなら報酬アップで対応すれば世話がないのにと思ってしまうわけです。「角を矯めて牛を殺す」ということわざがありますが――ちょっと意味はずれますが――ふと、そういう諺を思い出してしまいました。皆さんはどうお考えでしょうか?



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